浅瀬でぱちゃぱちゃ日和

全部日記です。大学院でいろいろやってました。今もなんだかんだ大学にいます。

初心者が初心者におすすめする入門向けのSCP

ども。すっかり日が短くなってきましたね。

「秋深き 隣は何をする人ぞ」という芭蕉の句がありますが、今日はそれにこじつけて、最近僕がハマってるコンテンツについて紹介します。

この頃の僕は、SCP財団(SCP Foundation)というサイトにかなりハマってます。気付いたらのめり込むように読んじゃってる。おかげで無限に時間を溶かしてしまってます。

で、このSCPというコンテンツ、知ってる人は知っているというか、巷ではそれなりに有名らしいです。僕はつい一週間ぐらい前まで全く知りませんでしたが。もしかしたら、僕以外の全人類これについて知ってるということもありうるけれど、そうではない可能性もあるので、今日はこの紹介をしたいと思います。

SCP歴1週間ぐらいの僕が、SCP歴0日の人に向けておすすめなどを書きます。「今更これについて??」とか思ってる輩はもう帰っていいぞ。

 

SCP財団とは?

scp-jp.wikidot.com

めちゃくちゃ簡単に言うと、怪談の創作サイト。色んな人が投稿していて、怖い話や不思議な話がたくさん読めます。雰囲気としては「世にも奇妙な物語」とかが近いかもしれない。洒落こわとか意味こわが好きな人におすすめ。

ただ、普通の怪談サイトと違って、投稿内容についての世界観が統一されています。よくある怪談掲示板では、各々が体験した怖い話とか、身近な怪奇現象が書かれているはず。SCP財団はそうではなくて、「世の中の異常現象の確保 Secure・収容 Contain・保護 Protectを目的とした”財団”が、その記録のために用いている報告書」という形式で話が書かれています。

最近「アンデッド・アンラック」という漫画を読んだけれど、世界観はあれにだいぶ近いと思う。世界のあちこちで異常・超常現象が発見されていて、それを調査・鎮圧するための組織が存在する、というもの。で、調査する以上は何らかの報告書が作られるわけで(こういう異常が発生してました的な)、そこで書かれた「報告書」という体を取った創作コミュニティサイトが「SCP財団」というわけです。こういうのをシェアード・ワールドとか言うらしい。

 

よくわからんときは見る方が早し

僕はまだSCP歴1週間のぺーぺー(PayPay)ですが、メジャーなものはそれなりに読んだと思うし、雰囲気とかも掴めてきたように感じます。ので、今回は個人的なおすすめ記事を挙げつつ、SCPというコンテンツの特徴について紹介したりなど。

① まずはここから

SCP-1733 開幕戦

scp-jp.wikidot.com

こちらは僕が初めて見たSCP記事。内容は「異常性を発揮する、バスケの開幕戦の録画映像」というもの。報告書の最初の方で「この録画映像はビデオ保管庫で保存しておくよ」というのが書かれていて、それに続く形でこの録画の異常性が説明されている。

で、その異常の内容とは、「録画の映像を再生する度、内容が変化している」というもの。1回目の再生では、内容はバスケの試合そのもの。ただ、2回目の再生では、1回目の再生ではなかったはずのファールが発生している。3回、4回、5回...と再生する度に内容は変化し、34回目の再生では、バスケの試合なのに互いにずっと0点のままになってしまう。そして実況・解説は「なんかこの展開見たことあるぞ」「前にも開幕戦やってなかったっけ」的なことを言い始める。

実はこの録画映像、何が異常かというと、映像の中の人物達が「自分たちがループしている」ことに気付いてしまうというもの。2回目の再生では、1回目の再生時の記憶を保持しており、30回目の再生では、それまでの29回の再生分を既視感的に覚えている。そして映像の人物達は徐々に異常に気付き始め、44回目の再生ではついに試合を放棄。その後はスタジアムからの脱出を試み始めるが...... 続きは是非元サイトで読んでいただきたし。

言ってしまえば、単なる創作怪異に過ぎないのだが、それが「異常事態についての報告書」という体で書かれているのが面白いと思います。そういうのを楽しむサイトです。

 

② 入門その2(シンプルかつ面白い)

SCP-013-JP ホームビデオの親戚

scp-jp.wikidot.com

こちらも入門的な記事(報告書)だと思うもの。

家族で撮ったホームビデオにどこからともなく現れ、まるで一家の一員のように過ごしている男についての報告書。ビデオを見た時はみんな「誰だこいつ」という反応を示すが、見終わったときにはまるでその男を親戚の一人のように認識しているという。オチが怖いです。

SCPというサイト自体、元は「ネットで見つけた不気味な画像にストーリー付けようぜ」というノリから始まったらしい。この記事はその感じがよく出てると思います。画像怖い。

これ系のシンプルかつ面白いものとしては、他にSCP-1357「子どものための遊園地」や、SCP-993「ピエロのボブル」などなど。これらもたぶん入門向けです。この辺りで「報告書」というフォーマットに慣れるのがよいかも。

SCP-1357 - SCP財団 子どものための遊園地

SCP-993 - SCP財団 ピエロのボブル

 

③ ギミック系

SCP-280-JP 縮小する時空間異常

scp-jp.wikidot.com

長野県の山の中にあったブラックホールについての報告書。中にものを入れると、このブラックホールは「縮む」らしい。不思議。

SCPの記事は、報告書それ自体にギミックが隠されていることが多いです。この報告書の場合、「電子媒体専用云々」「何とかプロトコルの実施」というボタンが押せるはず。こういうのを押すと、報告書の随所に変化が見られます。試しにブラックホールを小さくしてみるべし!! どこが変わったか分からないときはポチポチ押してみよう。ものを入れると縮む異常空間のはずが......

こういうギミックは面白いし、スマホでも正常に動いているのがすごい。

 

④ Dクラス職員

SCP-2384 何物よりもデカき鴨

scp-jp.wikidot.com

でっかい鴨の話です。この正体不明の不気味さがSCPっぽいなと思います。

財団が扱うオブジェクトの中には「触れるだけで死」「見るだけで即死」系のものが山ほど。そんなときに使用されるのがDクラス職員。彼らは元死刑囚という設定で、「死刑の代わりに、財団の実験に30日間協力すれば自由を与えるよ」という約束で雇用されています。そして明らかに死あるのみでしょという任務に特攻させられます。可哀想凶悪犯罪者なのでOKという世界観。

オブジェクトクラスだとか、cite-だとか収用違反だとか、最初はこの辺の財団用語・世界観を理解するのが大変です。

 

⑤ 理不尽で嫌な気分になれる系

SCP-254-JP 頑固おやじのバリカタラーメン

scp-jp.wikidot.com

怪異創作という性質上、理不尽な暴力系も多いです。「頑固おやじのバリカタラーメン」もそのひとつ。何の理由もなき暴力が襲ってきて嫌な気分になります。

胸糞系の話としては、SCP-198「コーヒーを一杯」とかも有名(これ最悪中の最悪)。他にも救いがない系だとSCP-1302-JP「廻る。」とか(これ結構好き)。読むと気分が悪くなる系の記事が好きという人にはお勧めです(そんな人おる?)。

SCP-198 - SCP財団 コーヒーを一杯

SCP-1302-JP - SCP財団 廻る。

最悪系だと、SCP-565-JP「手のひらヒーローズ」というのもありました。これも最悪です。

SCP-565-JP - SCP財団 手のひらヒーローズ

 

⑥ 報告書が異常を受ける

SCP-1045-JP お眼鏡にはかなわない

scp-jp.wikidot.com

他にもSCPあるあるして、報告書自体が異常現象の影響を受けるという、いわば”メタ”系の記事がたくさんあります。これはかなりあるある。

こちらはとある眼鏡についての報告書。その異常性は、読み始めれば分かると思います。これ個人的にはかなり好き。

 

⑦ いい話系

SCP-243-JP 恩人へ

scp-jp.wikidot.com

不気味な話も多いけど、これも世にも奇妙な物語と同じで、感動する系の話も多々あります。

SCP-243-JP「恩人へ」は、ダイヤルすると命の恩人に繋がる公衆電話の話。さっと読めて、いい話だなーとなれます。

これ系の話だと、他にはSCP-548-JP「歌う雨音」や、SCP-544-JP「孤独な放送室」など。いい話です。

SCP-548-JP - SCP財団 歌う雨音

SCP-544-JP - SCP財団 孤独な放送室

 

⑧ 意味が分かると怖い系

SCP-2616-JP  雪中炭送

scp-jp.wikidot.com

SCPには「意味が分かると怖い話」系のもぼちぼちあります。SCP-2616-JPもそのひとつ。これ系だと一番有名な話かも。

「意味が分かると怖い」とはちょっと違うけど、オチでゾクッとさせてくるのも多いです。僕が好きなのだと、SCP-200-JP「浮かばれないアヒルとか、SCP-1283-JP「踏切のむこう」とか。前者は短いので入門向けで、後者は長いけどしっかり怖いです。

SCP-200-JP - SCP財団 浮かばれないアヒル

SCP-1283-JP - SCP財団 踏切のむこう

 

⑨ 面白い系

SCP-1134-JP 爆転ニギリ スシブレード

scp-jp.wikidot.com

読むと「なんだこれ」と思えるような、「面白い話」枠もいくつかあります。これも世にも奇妙と似てますね。

SCP-1134-JP「爆転ニギリ スシブレード」は寿司を回してバトルする奇妙な話。意味不明だけど熱いです。

 

たくさんありすぎる

おすすめとしてはひとまず以上。他にも有名記事とかはたくさんあるのだが、どうにも世界観が込み入りすぎたり、SCP同士の関係について知ってることが前提になったりするので、割愛。個人的には、予備知識要らないシンプル系の方が好きです。

SCP財団(SCP Foundation)は元は英語圏で始まったもので、今では日本・中国・韓国・フランスなどでも書かれてるらしい。それらも翻訳されて日本語で読めたりします。

そうすると驚くべきはそのコンテンツ数で、日本だけで報告書が約2000個英語圏にもなると約5000個存在しています。それにプラスして韓国や中国のものがあるだけでなく、報告書に付随する小話・小説なども「Tale」という名称で多数あり。まさに無限。無限に時間を溶かせるコンテンツになってます。あと、お互いに批評したり点数を付けたりできるので、一つ一つの質も高かったりする(すごい)。

そして僕はこれにハマって以降、暇さえあれば面白いSCPを探してしまっています。結果として生活規則は乱れ、修論には手が付かず、読書も進まないため、これぞまさしく”SCPがもたらした異常”なのでは? とか考えてしまってます。もう末期ですね。

「SCP-XXXX-JPは、とあるWebサイトの閲覧者が感染する認知的災害です。これに罹患した者(以下、SCP-XXXX-JP-Aと表記)は、本来の業務である仕事や学業に集中できなくなり、他者に対しても同様のWebサイトを閲覧するよう勧めてきます」云々。

 

以上

最初にも書いたとおり、「SCP財団」は僕が知らなかっただけで、割とメジャーなコンテンツらしいです。皆さんもぜひ一緒に時間を溶かしましょう。読んでみると、僕がこれだけハマってる理由も分かってもらえると思います。

何かシンプルでグサっとくるのがあったら是非教えてください。以上です。

 

 

 

 

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↑これはSCPには全く関係ない、僕が以前どこかで撮った写真(どこで撮ったかは覚えてない)