ども!! 普通に春っぽくなってきましたが、今度は花粉がつらい時期になりました。人類が花粉に勝てる日は来るのだろうか。
この頃何をしているかというと、自宅の本の整理を頑張っています。
The 汚部屋。
この3月中旬、先生の蔵書をたくさんいただいたり、今の研究室を引き払わなくならねばならなかったりしたので、部屋に本が溢れて大変であった。その整理をしたり、片付けのついでにしっかり本を分類ごとに並び替えるなどしていたら、いつの間にか3月下旬に突入していた。時が経つのが早い。
本の「帯」どうしてる?
今日の本題はこちら、買った本の帯、どうしてる問題。本の「帯」というのはあの宣伝文句とかが書かれたピラピラしている紙のことですね。
僕はあれが嫌いで嫌いで、基本購入した瞬間に捨てています。サイズ的にも厚さ的にもかさばるし、外して読んでいるといつの間にかどっか行っちまったりするので。昔は同じ理由で表紙のカバーも捨てていたけど、最近は糊で貼っ付けることで解決している。
ただ、最近「帯の即捨てってどうなんだろう?」という気持ちにもなっています。というのも、この頃人から本をたくさん譲り受けたこともあり、「貰った本の帯を捨てる」というのはちょっとなあとなったり。世間的にはどうも、帯をとっておく(少なくとも即捨てはしない)派の人の方が多いようなので。
あと、今回ちょっと調べて分かったのが、それなりの数、帯を躊躇なく捨てる人間をマジに軽蔑している人がいるということ。普段は「帯即捨」公言しているけど、これって実は軽蔑の対象になってるのか? とちょっと不安になりました。ちなみに「帯捨て人間軽蔑派」の理由としては、「帯も本の一部であり、出版社や編集者の想いが詰まっている。それを捨てる人間は本を大事にしていない」「本好きとは呼べない」といったものがあるみたいです。帯を大事にしない人間とは友達になれないとか、彼氏が帯を捨てる人間だから別れたという人も、いるのだとかいないのだとか。
買った本の「帯」、どうしてます?
— あいだた (@dadadada_tatata) 2022年3月19日
僕もTwitterでアンケートを採ってみたところ、どちらかというと「捨てる」派の人間が多かったです(回答していただいた方ありがとうございました。僕の人望では15票が限界です)。ただ、一応、「捨てる人間とは一生分かり合えないと思う」も2票入っていた。これはただふざけただけかもしれないけど、もし本気だったら怖いし悲しいことなので、僕も帯を保存する道を考えようと思った次第です。
帯カルタ、開幕........
で、今回、「帯を捨てずに取っておきつつ、かつ何かで遊べないか」というのを考え、三日三晩考え、思いついたのがこちら。
白熱!! 帯カルタバトル!!!
です。
【帯カルタバトルとは?】
・帯を「読み札」、本を「取り札」として、カルタのように遊ぶゲームです。
・読み手は「帯の煽り文」を読み上げます。取り手はその書名を予測し、本を取ります(読み上げるのではなく、「デザインを見せる」という方法もあります)。
・このゲーム、少なくとも読み手1人、取り手2人の3人以上が必要です。今回は1人でやります。こんなことに付き合わせられる友人はいませんでした。
こんな感じ。ちなみにTwitterで検索したところ、既に同じことをやっている方がちらほらいたので、僕が創始者というわけではなし。創始者を名乗りたかったなあ、、、
実際にやってみよう
一人でやるのが難しかったので、いつものあれで行きます。
【登場人物】
図書館で働く、本好きの独身男性。新しい遊びを考えつくのが大好きで、思いついたら誰かに披露せずにはいられない。親からは「そんな暇あったら将来のことを考えなさい」と言われている。
リブ子ちゃん
近所に住む元気いっぱいの女の子。ハカセのところに遊びに行くと「将来のことなんて考えなくていいよ」と言ってもらえるので、謎の安心感を抱けている。
こんにちは!! というわけで、私が出題者になってみました! また一緒に遊びましょう、リブ子ちゃん。
こんにちハカセ! ちょうど200日前にも私たち、本を使ったオリジナルゲームで遊んだね! 今回はどんなクソゲーかな??
↓前回↓
今回は白熱! 帯カルタバトルだよ! 概要については上で書いたとおり。本の整理作業の中で、「よさげだな」と感じた帯と本のセットを、私がてきとうに選んでみたよ! !
今回の帯&本
全部で15札あるんだ! ちょっと多かったかなと自分でも思ってるよ!
今回エントリーしている本たちはこちら。
- 橋本努編『現代の経済思想』勁草書房
- 宇佐美誠編『気候正義』勁草書房
- リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』早川書房
- キャス・サンスティーン『インターネットは民主主義の敵か』毎日新聞社
- ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか』紀伊國屋書店
- ジョセフ・ヒース『啓蒙思想2.0』NTT出版
- ロバート・パットナム『孤独なボウリング』柏書房
- 井上達夫『普遍の再生』岩波書店
- 森村進『リバタリアンはこう考える』信山社
- フロランス・ビュルガ『そもそも植物とは何か』河出書房新社
- 三浦俊彦『論理サバイバル』二見書房
- 小坂井敏晶『人が人を裁くということ』岩波新書
- 森本あんり『異端の時代』岩波新書
- アドルフ・ポルトマン『人間はどこまで動物か』岩波新書(青)
- 渡辺靖『白人ナショナリズム』中公新書
↓並べるとこんな感じ
普通に多いな。でも知ってる本もいくつかあるよ! ハイトの『社会はなぜ左と右に〜』とか、読んでないけどヒースの『啓蒙思想2.0』とか。サンスティーンもあるのね!
できるだけ知名度がありそうな本から選んだよ! 経済思想系の本たちが特にそうだね。実は私もまだ読んでないんだけどね。
ただ、内容しっかり読んでなくても、雰囲気さえ知っていれば「帯カルタ」は遊べるよと思うよ!!
やってやろうじゃねえか、、、、
ゲームスタート
それじゃあ出題していくよ! 画面の前で指を高速スクロールさせている君も、ひとまず立ち止まって参加してみよう!! やれば多分わかるから。
では1札目、読み上げます。
第1問
リベラルはなぜ勝てないのか?
気鋭の社会心理学者が、哲学、社会学、人類学、進化理論などの知見を駆使して、
現代アメリカ政治の分断状況に迫り、新たな道徳の心理学を提唱する、
左派と右派の対立が激化する構図を明快に解説した全米ベストセラー(以下略)
↓取り札の画像
さぁどれだどれだどれだ?????
いや、このゲーム普通にむずいな。「リベラルはなぜ勝てないのか」....... 教えてくれるならぜひ知りたいことだけど。
あ、でもわかった! 多分これでしょ!!
ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか』。
これだろうがよぉおお!!
.............................
正解です!! よくわかったね。読んだことあったかな?
実は学部ゼミで読んだこともありました。
「リベラルはなぜ勝てないのか?」だけだと分からなかったけど、帯の下の方に「左派と右派の対立が激化する......」って書いてあったからね。これでわかったよ。
なるほどね。ちなみに、たいていの帯の裏にはちゃんと書名が記されているから、答え合わせもバッチリなんだよ。これは帯豆知識だね。
↑裏側に小さく書いてある。
それでは第2問。全部出すと多いから、今日は全5問ぐらいにしようかな。
第2問
人間とサルとの懸隔は?
世界的な動物学者の画期的著作
↓取り札の画像
2問目の煽り文は「人間とサルとの懸隔は?」。さあ、探せ探せ探せぇえ!!!!
人間とサルとの懸隔ぅ?? なんだろう、動物についての本なんてあるかな? 進化論関係?
あ、でもこれわかったかも! だって岩波新書って書いてあるもん。
アドルフ・ポルトマン『人間はどこまで動物か』。これしかねえだろうがよぉおおおおおお!!!!
..................................
ずばり、正解です!! やるねリブ子ちゃん。本を当てたことよりも、この楽しいのかよくわかんないゲームに付き合ってくれてるのがすごいと思う。
これは結構わかりやすかったかなー。「サル」とかの話題に関係しそうなのこれしかなかったしね。
「帯の良さ」で選んだから、意外と分野は定まってないんだよね。もう少し難しくしてもよかったかな。
では第3問、参ります。
第3問
反時代的思想の拠点、内発的普遍主義へ
天皇の戦争責任を否定する日本の国民的自己愛を裁き、
グローバリズムとアメリカの覇権主義を告発し、
多元的相対主義の欺瞞を暴く
これ大丈夫? ヤバい本じゃない??
ちょっと過激な煽りだけど、別にヤバい系の本ではないよ。それじゃ探してみようか!!
うーん、でもこれも、普通に考えたら一冊しかないかな。煽り文句が「反時代的思想の拠点、内発的普遍主義へ」でしょ?
それに戦争責任とかの話から察するに、、、
井上達夫『普遍の再生』じゃないかなあ。これ以外候補ないし、ちょっと井上先生っぽさ在るし。あと「普遍」って書いてあるのもあるね。
はい、これもね、正解です。ちなみにこの本、2019年に文庫版でも出ているよ。法哲学者・井上達夫先生の政治哲学についての本ですね。
こういう過激な帯おもろいね。
真っ黒で威圧感あるのもいいよね。
それでは第4問、参ります。
第4問
コミュニティは民主主義を補完する
「無縁社会」を解消するために、
私たちは何を目指したら
よいのだろうか?
楽しいゲームも終盤に突入しています! さあどれだどれだどれだ!!
「コミュニティは民主主義を補完する」?? これ結構むずいな。
コミュニティ...... 民主主義......... あ、わかり申した!!
サンスティーン『インターネットは民主主義の敵か』じゃないの?? 民主主義の話だし、そうだろうよ、どうよ!!!! 地を這って敗北を認めろ。
...................
残念ながら、不正解です!! サンスティーンではありません! お手つき一回!! ちなみにお手つきの罰は「その本の写経」だよ。二度と間違えないよう全部手書きでね。
昭和のスパルタ教育かよ。え〜〜じゃあ何? 読んでないけど、中公新書の「白人ナショナリズム」とか??
正解はロバート・パットナム『孤独なボウリング』でした。副題に「米国コミュニティの崩壊と再生」ってあるから分かるかと思ったよ。
こちら、アメリカの「コミュニティ」の力が弱まって、皆1人でボウリングするようになっちゃったっていう話をしている本だよ。だから「孤独なボウリング」なんだね。社会学とかで結構有名な本だよ。
でもハカセは内容読んでないから、これは知ったかぶりなんだ。
この記事に寄せるなら「孤独なカルタ」だね。
そんな悲しい時間ももうすぐ終わり! 最後の帯はこちら!
第5問
反知性主義の先に何があるのか?
現代社会の深層へ——
「正統」と「異端」の通念を覆す洞察
さあ最後の問題だよ! どうでもいいけど、こうやって毎回取り札の画像を載せる新設設計、これ地味に面倒だったよ!
煽り文句は「反知性主義の先に何があるのか」...... 該当しそうなのいくつかあるけど、どうだろう。どれか迷うな。
ちなみにこれ本番のカルタだったら、そうやって悩んでる間に取られてるからね。もう負けてるからね。実質敗北者。
誰がこれで遊ぶんだよ。でも多分、わかったかな。今回の札はこれでしょう!
森本あんり『異端の時代』だぁーーー!!! これで違ったら写経してやるよ!!!
...................
ずばり、正解です!! おめでとうリブ子ちゃん、ちなみに今回の判断ポイントはどこだったかな?
うーん、『白人ナショナリズム』とか『啓蒙思想2.0』とも迷ったけど、決め手は「正統と異端の通念を覆す」って書いてあったことかな。「異端」ってちゃんとあるからね。これでしょうと。
確かに、よく読めばわかりやすいかもね。でも本当はカルタだから、スピードも要求されるんだ。一緒に遊べるヤツいねえけど。
【残りの帯たち】
ちなみに、残っている読み札(帯)はこんな感じだね。それぞれ、どれがどれになるのか、意欲のある人は考えてみよう!!
ちなみにハカセは、デザイン的にはこの帯が一番好きだね! NTT出版だから、これはあの本以外にないね。
私はこの帯が好き! 「背景 トランプ大統領」って書かれているけど、トランプがこれ見ることは絶対ないだろっていうのが面白いね! この帯については下の方に「書名」まで書かれているよ。
そんな感じだよ! 暇な人は研究室の友人なんかと一緒に遊んでみよう! 衆論出した後の「正月の余興」としてはちょうどいいかもね!
学術書じゃなくても、漫画や小説でも同じことはできるよ! 家に呼んだ友達、「読書好き」を公言している人たちとやってみてもいいかも! 「ちょっと用事があるから帰るね.....」って言われても責任取れないけど。
まとめ:帯を取っておくと遊べるよ
そんなわけで今回は、「本の帯で遊ぼうの会」でした。こうやってみると、意外と楽しく遊べました。一人だけど。「こんなことに時間を使ってていいのか?」という気持ちがずっとあったけど。まあでも楽しくはあったです。
やってみると、帯の即捨ては若干もったいないかな? という気持ちにもなれました。帯のデザインとか文句とか、いろいろ集めて、並べて比較するだけでも結構面白かったので。普段は「帯なんていらねえ」という方も、この期に捨てるのは待ってみて、こんな感じに遊んでみてはいかがでしょうか。遊び相手がいれば。
そんな感じです。今更だけど、画像多めで記事重かったら申し訳ないです。一応リサイズしているつもりなんだけど、軽くする方法あれば誰か教えてください。