浅瀬でぱちゃぱちゃ日和

全部日記です。大学院でいろいろやってました。今もなんだかんだ大学にいます。

麗しの昭和ミュージック:中森明菜編

中森明菜って最高だよな

いきなりクソでか感情から入ってすみません。本日は「好きなミュージック特集」回になります。

最近の僕は、相も変わらず就活と研究の狭間で苦しんでいます。これも院生の定めなので仕方ないのですが、ただ本当に、相も変わらずって感じです。

で、気分が沈みがちな時は、好きな音楽を聴いてテンションアゲアゲしています。今まで秘匿していましたが、僕は割と昭和ミュージックが好きなんです。特に好きなのは、だいたい以下の通り。

① 荒井(松任谷)由実 ユーミン!!
中島みゆき
久保田早紀久米小百合
中森明菜

このあたりです。他にも尾崎とかも好きだけど、ここはあえて女性アーティストで統一ということで。ちなみに上の並びは、デビュー曲の発表順になっていて、それぞれ1972年、1975年、1979年、1982年です。昭和の終わりは1989年なので、どちらかというと平成寄りの人の方が多いか。

ここら辺の音楽、狂った高校時代に狂ったように聴いてました。今も機を見つけては聴いています。なんか、心が懐かしい場所に帰るので、無性に癒やされます。特に最近は中森明菜を聴き直して、興奮しています。

その魅力を伝えるべく、今こうして深夜にMacBookを開いております。アキナの素晴らしさ、みんなに布教したいです。

 

歌姫

中森明菜は、1982年に「スローモーション」でデビュー。その楽曲のほとんどが80年代に集中していて、1991年までの10年間で、26曲のシングルを出しておりますwiki調べ)。それ以降、現在までの30年間で出たシングルは25曲。全シングルのうち半分が最初の10年に出ていて、要するに全盛期は80年代ということです。

そしてその魅力は、なんといっても歌唱力。歌うま宇宙人か? と思うほど歌が上手いっす。素人評であれだけど、音程云々とかよりも、とにかく表現力がやばやばだと思います。ところどころリンクを貼っていくので、ぜひ聴いてみるべし。

 

 

youtubeに公式曲がないようなので、spotifyで失礼

 

マイファイバリット一番好きな曲「北ウィング」(1984)。なんというかこう、しっとりしているところと、ギラッとしているところのメリハリがすごいんですよ(壊滅的語彙力)。「声」だけでここまで圧倒できるのがすげえなあと思います。

そしてその歌唱力から、アキナは「歌姫」と呼ばれていました。今でも昭和を代表する歌うまアイドルと評されております。

gendai.ismedia.jp

↑一位に選ばれている。

歌唱力といえば、最近どっかの記事で「Adoの『うっせぇわ』は表現力がすごい」的なのを目にしました。まああれもまあ、表現力すごすごなんだと思います。とはいえ、アキナの場合、そのすごさが別ベクトルというか、総じて「演じる力」的なのが高いんだとと思います。

 

演者?

中森明菜の魅力を語る上で外せないのが、この「演者」的側面だと、勝手に思ってます。

というのも、中森明菜シンガーソングライターではないんですね。作曲も作詞も別の人がやっていて、アキナは「歌」だけを担当しているわけです。ので、自分自身の想いとかと、歌詞の世界観がずれたりすることもある。

 

スローモーション

出逢いは スローモーション

軽い眩暈 誘うほどに

アキナのデビュー曲スローモーション(1982)。この楽曲では、”恋にウブな女の子”感がイメージとして出ています。まさしくみずみずしい少女って感じです。

アキナがデビューしたとき、そのキャッチコピーは「ちょっとエッチなミルキーっ娘」でした。このコピーのせいで、アキナは「エッチなんですか?」という質問をよくされて、苦痛だったらしいです。

 

少女A

いわゆる普通の17歳だわ 

女の子のこと知らなさすぎるのあなた

ただ、セカンドシングル少女Aは、全く”ウブな女の子”感がなくなっています。「スローモーション」のバラード調から大きく変わって、曲調はアップテンポで激しいものに。歌詞も恋に臆病な男を叱責しているぐらいです。

これ、wiki情報によると、アキナはこの曲を歌うことを激しく拒否したらしいです。彼女自身は「スローモーション」のような曲がよかったのに、プロデューサーが無理やりレコーディングにこぎつけたのだとか。つまり、自分自身のイメージに合わない曲を、半ば強制的に歌わされたということです。

ただ、結果的に「少女A」は大ヒット。そして以降、アキナはこれ系の曲をたくさん歌っていくことになります。作詞を担当した売野雅勇とプロデューサーにうまく乗せられたって感じなんですかね。

自身が作詞・作曲を手がけるシンガーソングライターであれば、「自身のイメージに全く合わない曲」を歌うことは、そんなにないんじゃないかと思います。まあ、売れ線を狙わざるを得なくなって、とかはあるかもしれないけど。

アキナの場合は、他人が作ったイメージに自分を乗せる、いわば「演じる」的な要素が多く入り込んだんじゃないかと思います。

鏡に向かって微笑み作る

黄昏れ時は 少女を大人に変える

これは上の「少女A」 の歌詞ですが、こんな感じで、アキナには「少女」の部分と「大人」の部分が隣合わせに存在していたように思います。そしてそれこそがアキナの魅力であると、私は感じております。”ロマンティック純愛感”と”孤独で大人な女性観”を歌い分けるその歌唱力が、本当にすごいなあと思っています。

 

しっとりしている系 

セカンド・ラブ

 

せつなさは モノローグ 胸の中

戸惑うばかりの私 

しっとりしている系代表は、サードシングルセカンド・ラブ。これも、紛う事なき名曲でござるね。ちなみに作詞・作曲は「スローモーション」と同じ来生氏で、同様のバラード系譜を踏んでいることがわかります。

歌詞のウブな感じもいいのだけれど、やっぱり歌声が素晴らしいです。三日三晩放置したカントリーマウム並みにしっとりさせてきます。

 

ジブシー・クイーン

貴方との日々今は 隠してしまったから

前より悲しいけど 寒くない

 15thシングル「ジプシー・クイーン」。ウブな少女感はないけれど、これもしっとりバラードです。

どうでもいいけど、アキナの曲はプロの作詞家が担当しているので、やっぱり歌詞がいいんですよね。この曲「ジプシークイーン」も、「ジプシー」という一つのテーマに沿って関連語が散りばめられていて、芸術性が高いと感じてます。

 

大人な女性系

十戒

愚図ね 格好つけてるだけで

一人きりじゃ何もできない

「少女」のイメージを脱したアキナ、その曲の多くが、腑抜け男への叱責で満ちています。

その代表格が、9thシングル十戒ツンデレで言うとツン9割デレ1割の曲です。「出逢いはスローモーション」と歌っていたあの子はどこへ? 

優しいだけじゃもう もの足りないのよ

今の男の子みんな 涙見せたがり

甘えてるわ やめて 冗談じゃない

こっわ。こういう、ヤワな男にブチ切れるのが、アキナの一つの作風になっていきます。

 

BLONDE

時代が甘やかすから

男たち 愛に手を抜くの 

やるせない

18thシングルBLONDEもそうした曲の一つ。ジャケ写がセクシーどす。これも、恋愛臆病男子を叱咤するオトナ女性ソングです。

アキナ本人は嫌だったかもしれないけど..... 僕はこっち系の曲もすごく好きです。こういう意味で恋愛に強気な女性、最近だとあんまり見ない気がします。僕もダメ男の一人として怒られてみたいです。

女は誰も 本当は 騙されたい

綺麗と 愛してると

男たち 言葉を使って

アキナはこんな感じで、「女の本音はこう!」的なのもたくさん言っています。女は誰も本当は騙されたいらしいです。僕の友人の一人は、アキナの曲から女性の恋愛観を学んだらしいです。まあその友人とは僕のことなんですが。

 

TANGO NOIR

ゆくとこまでゆくわ 美しい破滅に

魅入られて愛して

流されるままに 

そういう意味では、17thシングル「TANGO NOIRは最高です。この曲はアキナの妖艶な部分が非常に強く出ていると思います。

この曲、やっぱり一周回って、歌唱力が素晴らしい。非常に表現の幅が広いんだと思います。これはそれが際立っている。ぜひ聴くべし。

 

 

以上

 

本日は中森明菜回でお送りしました。いかがだったでしょうか?

色々紹介したけど、僕はやっぱり「北ウィング」が一番好きです。今日は紹介できなかったけど、「SAND BEIGE 砂漠へ 」「I MISSED THE SHOCK」「禁区」「SOLITUDE」「サザン・ウインド」とかももちろん好きです。その代わり、一番のヒット曲である「DESIRE 情熱」とか「ミ・アモーレ」とかは微妙なんですけど。この辺より「セカンド・ラブ」とかの方が数倍好きです。

一言で言うとアキナの魅力は、ツンとデレの併存、それをこなす圧倒的歌唱力という感じです。令和の皆さんにも、昭和ミュージックということで馬鹿にしないでぜひ聴いてほしいところですね。すごいので。

 

...ちなみに、19thシングル「難破船」に表れているように、中森明菜の歌手人生は、なかなか苦悩に満ちていたようです。そういうのもアキナの魅力の一つになっている、と言っていいのかどうか。

芸能人の自殺未遂の話とか、我々はエピソードとして楽しみがちだけど、そういうのはどうなんでしょうね。ある人物の自殺は悲劇として悲しまれるけど、全員がそうではなくて、自殺がその人を象徴する逸話の一つと見なされたり、何か英雄的な要素として祭り上げられることもありますよね。特にミュージシャンはそうで、典型的にはニルヴァーナカート・コバーンとか。なんというか、我々から遠くにいる人物の自死にどう向き合うべきかという話です。

アキナの話をするなら、その辺にも触れるべきかなとは思いましたが、まあ今回はやめました。何が言いたいかっていうと、ここではまだ中森明菜の魅力を5%ぐらいしか伝えられていないから、みんなもどんどん聴いてくれよな!ってことです。聴くのが一番、その次にエピソードを追っていきましょう。ただしゴシップとして消化するのではなくて、ちゃんとその人間を知るという意味で。

今回はそんな感じ。次回があればユーミン中島みゆき、どっちかやってみたいですね。乞うご期待。