浅瀬でぱちゃぱちゃ日和

全部日記です。大学院でいろいろやってました。今もなんだかんだ大学にいます。

働き始めて2週間!! OJTと帳簿の世界史

ども!! 春の陽気に満ちあふれる今日、皆様いかがお過ごしでしょうか。暖かくないですか!? 東京は近頃、最高23度ぐらいの日々が続いています。日中ずっと狭いオフィスでパソコンに向き合ってるしかない「社会人」という身分がとにかく憎い季節です。

4月15日現在、新年度が始まって、約2週間となりました。早いのか遅いのか。この4月、既に新しい出会いなどがあったりもしたと思います。そのとき、この春に別れを迎えた人に対して、「あいつ、今頃どうしてんのかな......」と、思いを馳せることはあったでしょうか? ない? 全くない? 特に僕に対して、どうですか? まあ「ない」かもしれませんが、僕は僕で、この場を借りて新年度の活動報告を行っていきたいと思います。社会人、働き始めて2週間の近況報告となります。

 

働き始めてどう?

4月3日から働き始めて、既に10日間の実労働を終えてきました。毎日、9時出勤で、一応定時が17時45分という感じです(1時間休憩ありの7時間45分労働)。で、今のところの、社会人を迎えてみての感想ですが、

 

 

まあ、正直、

 

 

✝余裕✝

 

 

ですね。

 

調子に乗ってすみません。でも本当に、「思ったより余裕があるな」というのが、現時点での感想です。

 

で、だからこそ、つまり余裕がある今だからこそ、ブログの更新をやっておこうという話です。今のうちに、働いて2週間の感想を振り返ってみたいと思います。もし仕事が忙しくなってきたら、多分休日もブログどころではなくなるのではと思うので(そんなことしてる暇あったらもっと何かこう....... 何かしてると書こうと思ったけど、やっぱりブログ書いてるかもしれないですね、余裕がある今だからこそ、ここまでの記録を残そうという感じ。とりあえず現状、働き始めの2週間、どんな感じだったのかというのを書いておこうと思います。

で、「お前の社会人生活なんて微塵も興味ねーよ!!」という人もおるかもしれないけど、これからはそういう記事が増えそうなので、お付き合いいただければ幸いです。

 

何の仕事してるの?

一応、ざっくりとは、国立大学の財務系の仕事に就いてます。ただ、なんというか今は、本当にただひたすら上司に言われたとおりにパソコンにデータを打ち込んでるだけです。そうして、何らかの書類を作って、どこかの偉い人に提出しております。毎日、だいたいそんな感じ。

正直なところですね、本当に、自分が何をしているのか全然理解してないです。哲学者のジョン・サールがですね、「中国語の部屋」という思考実験を紹介してまして、「中国語が全く分からない人間が、中国語が本当に分からないんだけれども、渡されたマニュアルどーりにタスクをこなすことで、外部から見ればまるで『中国語を理解して行動しているように見える』というとき、この人間は実際に中国語を『理解』していることになるのか?」というものです。で、まさに今の自分もそんな感じです。中国語の部屋ならぬ、財務会計の部屋ですね。財務・会計の仕事をしているらしいが、実際はそれが何なのか全然理解しておらず、渡されたものを記号的に処理しているだけとなっています。

ja.wikipedia.org

 

この時期、財務系の仕事はどこも忙しいようで、年度の切り替わりで予算関連がややこしいことになってるみたいです。で、僕の上司としても、とにかく書類の処理を終わらせないといけないので、「説明はあと!! とにかく作れ作れ作れ!!」という感じっぽいです。現状「何の作業をしているのか」の総論的な説明はあまりなく、とにかく「よくわからんけどこれを埋めていけばいいのね......」という、ぶっつけで各論をこなしていく感じとなっています。

 

新入社員とOJT

で、この「ぶっつけ感」はもしかしたら、新卒社員あるあるなのやもしれません。一方で、最初の2ヶ月ぐらいはみっちり研修を重ねて、そのあとで配属が決められる会社もあるけれど、他方で、初日から配属先に飛ばされて、ひたすら実務に関わりながら覚えていくというスタイルもあるのだと思います。僕は完全に後者のタイプでした。いきなり戦場に放り出され、落ちてる武器を拾いながらなんとか戦っている感じです。ちなみに今は、ひたすら前任者のやりかけの作業を引き継いでいるらしい。何が何だか全然分かってないけど.......

こういう、いきなり現場にぶち込まれるタイプ、よく言えばOJTなのかなと思います。一応説明しておくと、OJTというのはOn the Job Trainingの略で、要は「仕事に携わりながら、それが研修にもなる」ということですね。就活中、ちっちゃめの企業を受けたときは、これが魔法の言葉のように唱えられていました。まあ、体系的な研修制度とかを備えていないところが言いがちなのかなとも思います。オンザ・ジョブ・トレーニングと言うと聞こえはいいけれど、実際はこれ「お前が・自分で・適当に」とかですからね(ググったらこういうことはたくさん言われている)。基本的には放任されて、あくまで必要最低限の説明しか受けられない感じですな。

そんなわけでですね、未だに、自分が何をしているのかわかっておらず、「前年度の参考にここを埋めといてね」ということの繰り返しをしています。最初に総論を示してくれる、民法のパンデクテン方式が懐かしいな〜〜とか思ってます。

で、最初に「余裕だ」と言いましたが、このOJTの影響でですね、とにかく残業が少ないというのがあります。10日間出勤したけど、残業時間は合計で2時間という感じ。基本的に定時で帰れています。

.......なんでかというと、上司からの指示がなければ何もできないからですね。自分一人でできることが、机をピカピカに磨くことぐらいしかない。で、上司も、そんな僕に手取足取り教えるよりは、「自分でやった方が早いわ」となってるんじゃないかなと思います。ので、部署的には繁忙期のはずだけど、やれることがないから早々に帰ってる感じですね。これはもう本当にしょうがない。

というわけで、現状は18時ごろに退勤して、そのまま区の図書館に行って読書をするぐらいには余裕のある日々です。ちなみに、これってどれぐらい普通なんしょう?? 「働き始めなんだから、定時に帰れて当たり前では?」という意見もあれば、「いや、働き始めといえども、普通に残業2時間ぐらいはするよ」という意見、どっちも目にしています。あなたはどっち派!? ひとまず、どちらにしろ、「余裕を持って過ごせている期間」があることは、大変よいことだなと思います。この日々を大切に抱きしめたい。

 

最近読んでる本

「図書館に行ってる」と書きましたが、もちろん本も読んでます。今現在、財務の仕事をしているということもあって、↓の本を読んだりしています。

帳簿の世界史

帳簿の世界史

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ジェイコブ・ソール『帳簿の世界史』(文藝春秋、2015)

アダム・スミスカール・マルクスマックス・ウェーバー.......。彼らが口を揃えて主張していた「帳簿」の力とは、一体何なのか。これまでの歴史家たちが見逃してきた「帳簿の世界史」を、会計と歴史のプロフェッショナルが、始めて紐解く。
(本書のカバー紹介文より)

この本ね、まだ途中だけど、面白いです。「帳簿」という、お金の出入りを記録する媒体が、どのように出現してきて、そして歴史の中でどのような役割を果たしてきたかという内容になってます。本当に世界史ですな。

特に面白いなと思ったのが、「会計」(account)というのは「責任」(accountability)なんだという話が初っ端に出てきたところですね。しっかり帳簿を付けるということは、外部に対して「責任を果たす」ということでもあるんだけれど、中世の王は「俺が責任を負うのは、神に対してだけだ!!」と言って帳簿を付けなかったりして、その結果として財政がズタボロになり国が崩壊したそうです。面白いですね。あと、帳簿を付けるのには、緻密な簿記のスキルだけでなく、不正に抗おうとする職業倫理も求められたそうで、その辺も、倫理を少しは学んできた人間として、興味深いな〜〜と思うところです。

本書からちょっとだけ引用すると、

会計と責任の相互作用は壊れやすく、しかもそれが一企業どころか一国の運命を決定づけることがある。したがって会計の歴史は、単に景気の変動や数字の増減の話ではなく、人間と政治の物語である。会計に熟達し、文化に根付かせながらも、往々にして恐れを忘れてしまい、不可避的に危機に見舞われることの繰り返しだ。この長い歴史を振り返ると、会計もそれに伴う責任も日々実践しなければならないにもかかわらず、その継続はじつにむずかしいことがわかる。会計は財政と政治の安定に欠かせない要素だが、信じがたいほど困難で、脆く、やり方によっては危険にもなる——
(本書、18頁、太字は引用者)

こんな感じで、会計にまつわる「倫理(責任)」と「政治」についてが論じられています。これがオモシレえんだ!!

で、この本、自分が財務に関わることがなければ、決して読むことのなかったものだと思います。かつ、自分が倫理や法や政治というものを勉強してこなければ、決して読むことのなかったものだとも思っています。今までの積み重ねがあってこそ、こういう本に手を付けていると言いますか......

何が言いたいかというと、僕はもう院生ではないし、研究者になるのはだいぶ昔に諦めたけれど、それでも何か問題にぶつかったとき、そこへのアプローチの仕方は昔から変わらないなということです。できるだけ自分の興味関心と引きつけながら、先行研究を読んで理解の糸口を見つけていく....... このスタイルが、これからの僕にとっても「正攻法」であり続けるんじゃないかと思います。

まぁつまり、大学院で育んだ魂が生きているよ、ということです。これからも、何か全く新しいことをやるにしても、学術書を読む精神を忘れずに頑張っていきたいなと思います。

ちなみに、この本が言うには、会計においては「複式簿記」というのが大変な大発明だったらしいですよ!! この本読んでから気付いたけど、僕も職場で複式簿記使ってます。あと、本書曰く、会計の歴史は常に「不正への誘惑に抗おうとする職業倫理の歴史」だったそうです。僕も、不正を断固として許さない強固な職業倫理を持ちながら、頑張っていこうと思います。

 

 

 

以上!!!

簡単な更新になったけど、今日はこの辺にしたいと思います。たぶんまた、月末になったら振り返り記事などを書く、はず。

今のところは、本当に今のところは、「社会人、思ったより余裕だな」というのが正直なところです。僕の実家にいる3歳の姪は、このところ毎朝「幼稚園に生きたくない」と泣きじゃくるらしいですが、僕は今はそうはなっていません。これからもそうならないよう、神と仏に祈る毎日です。

最後に、僕は元気にやっているよということで、もし皆さんも「新年度こんな感じだよ」というのがあれば、↓のフォームに書いてみてください。僕への苦情とか、不満とか、「お前本当に.......」というのがあれば、それも匿名で送ってもらって大丈夫です(怖いけど)。そんなわけで、今後ともよろしくお願いします。それでは。

 

 

暇な人は答えていって下さい。